●ホームページの訪問者を増やすには
この方法は、以下の2つに大別できます。
① 「現実の世界」で訪問者を呼び込む方法
② 「インターネットの世界」で訪問者を呼び込む方法
前者①では、皆さんの名刺や事務所のチラシ・封筒などに事務所ホームページのアドレス(URL:ユー・アール・エル)を印刷する方法がよくありますね。
後者②では、検索サイト(グーグルやヤフー)などから呼び込む方法が多くとられています。
今回は上記の「① 「現実の世界」で訪問者を呼び込む方法」について、より実践的にお話します。
すでにご自分の事務所ホームページを公開している方は、名刺をはじめとして、多くの人に配布する印刷物(チラシや封筒)に、ホームページのURLを記載していることと思います。
ただし、ここで考えてみてください。
それらの印刷物を受け取った人が、ブラウザのアドレスバーにそのURLを打ち込んで事務所ホームページを表示させるケースって、いったいどれほどあるでしょうか?
大多数の人は、あなたの名前や事務所の名称を検索サイトで検索して、そこからあなたの事務所ホームページを訪問するはずです。
この方が手間がかかりませんし、あなたやあなたの事務所に関する情報が他にあれば検索結果に表示されるため、ついでに調べることができるからです。
もちろん、だからといってURLの記載がいらないというわけではありません。
URLが記載されていれば「事務所ホームページが存在する」ということを表していますので、それにより「検索してみよう」という動機づけになるからです。
さて、現実の世界で認知された名前によって検索されるということは、とにかく現実の世界において名前を広めれば、ホームページへの訪問者は多くなるということになります。
そのため、現実の世界において、
名刺を配る
著書を出版する
講演を行う
マスコミに紹介される
など、およそ「人前に露出すること」=「ホームページへの訪問者を増やすこと」につながります。
これは、営業トークが苦手な人にとって、ありがたいことともいえます。
対面で、あるいは著書や講演の中で、露骨に営業活動をしなくとも、名前さえ広めれば、名前を知った何%かの人は、あなたの事務所ホームページを訪問してくれるはずです。
そして、事務所ホームページの中であなたの業務内容や実績を知ってもらい、あなたの顧客となってもらえるかもしれないからです。
つまり、現実の世界では名前だけを広め、それにより誘導したインターネットの世界(ホームページ)で営業活動を行うという役割分担ができるのです。
実はこのような営業手法は、個人の名前を前面に出している会社経営者やフリーライターの間ではよく行われている手法です。
ネットを使いこなしている人にとっては意外なことかもしれませんが、実際に会って手渡す名刺や、紙媒体としての新聞や雑誌、テレビやラジオという現実の世界の情報の方が、ネットの世界の情報より、社会的な認知度や信頼性は高いようです。
また、ネットの世界だけで自分の事務所のホームページに訪問者を呼び込むのは、それなりに大変で時間のかかる作業です。
そのため、名前を知ってもらったり、ある程度の信頼性を獲得したりするには、現実の世界の方が効果的だといえます。その反面、現実の世界では、自分や自分の事務所のことを詳しく聞いてもらう時間は、通常はありません。
そこで、ネットの世界のホームページにおいて、わかりやすく、かつ、具体的に自分の業務を説明することで、興味のある人に、その人の望む時間に好きなだけ、あなたやあなたの事務所の業務内容を検討していただくことができるのです。
さて、このように「現実の世界」と「ネットの世界」はうまく使い分けができるのですが、現実の世界には大きな制約があります。
実際に会って名刺交換できる人の数は限られていますし、紙媒体としての新聞や雑誌、テレビやラジオに記事として取り上げてもらえることは希でしょう。また、著書の出版や講演活動も誰にでもできるというわけではありません。
しかし効果はありますので、そういったチャンスがあれば多少無理をしても積極的に活用すべきです(といっても、聞いたこともない雑誌に高額な費用を払って記事を掲載するなどという勧誘には充分注意してください)。
また、何か新しいサービス提供を始めたり、著書を出版したりするときなどは「プレスリリースを配信する」という方法もあります。
プレスリリースは、マスコミに掲載されるという保証はありませんが、業者任せにしても数万円で配信できますので、興味のある人はネットで配信会社を検索して調べてみるとよいでしょう。
(この原稿は、プロフェッションジャーナルに連載した「税理士・公認会計士事務所ホームページ再点検のポイント」(2013年7月~2014年2月)の内容を最新の環境に対応するよう手直ししたものです。)